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豆知識〜お道具編〜

お道具よもやま話 〜知っているようでよく知らない〜

桜橘 (さくらたちばな)

桜橘 (さくらたちばな)

桜橘は、京都御所の「左近の桜」「右近の橘」を模しているとされています。京都御所の紫宸殿は北を背にして南向きで、天皇の左(東)を守る近衛兵を「左近衛・四位の身分」、西を守る近衛兵を「右近衛・五位の身分」と呼び、向かって右が左近衛(おじいさん)、向かって左が右近衛(若者)です。これにならってひな飾りの桜橘を「左近の桜」、「右近の橘」と呼びます。

菱餅 (ひしもち)

菱餅 (ひしもち)

菱餅の緑は草萌える大地を。白は雪の純白を。ピンクは桃の花を表しており、三月の早春の景色を象徴しています。

菱餅のヨモギは、古来より厄を払う薬草で造血作用があり、桃は古代中国では魔除けの力があるとされ、皮膚病の薬としても珍重されていました。また菱餅の赤は、くちなしで染められていて解毒作用があったそうです。いずれも汚れを払う薬草ですから、縁起がよく生命力があり、女の子の健やかな成長を願うひな祭りにふさわしいものです。

緋毛氈 (ひもうせん)

緋毛氈 (ひもうせん)

七段飾りの敷物に使う毛氈(もうせん)の緋色は生命力を意味し、風水などでも幸運・金運を呼ぶ色とされています。毛氈の裾模様は、繧繝(うんげん)模様と呼ばれています。

ぼかしを使用せずに、同系統の色を淡色から濃色に並列にして色彩の濃淡の変化をあらわす彩色で、紅・青・緑・紫などの色を多く使います。朝鮮の古墳壁画などにみられ、奈良前期に日本に伝来したといわれています。

御道具はお雛様の嫁入り道具

お雛道具は雛人形を引き立てる小物でそれぞれに意味があります。 名前を聞くとなんとなく用途がわかるものが多いのではないでしょうか。

  • ● 最上段には男雛と女雛の間に飾る 三宝(さんぽう)
  • ● 二段目には 高杯(たかつき)
  • ● 四段目には 御膳(おぜん)と菱台(ひしだい)
  • ● 五段目には 橘と桜

御道具はお雛様の嫁入り道具

● 六段目と七段目はすべて御道具が並びます。

箪笥(たんす)・鋏箱(はさみばこ)・長持(ながもち)・鏡台(きょうだい)・針箱(はりばこ)・火鉢(ひばち)・茶道具(ちゃどうぐ)・御駕籠(おかご)・重箱(じゅうばこ)・御所車(ごしょぐるま)

御道具はお雛様の嫁入り道具

お雛様のモデルとされている平安時代の貴族のお嫁入り道具が、御道具として飾られているのです。
本物を真似て丁寧に作られた御道具は、眺めているだけでも楽しいものです。

京雛・皇宮雛 〜こだわりの美学〜

晴れた日に仕舞うこと

晴れた日に仕舞うこと

「雛人形を仕舞うのが遅れると、婚期が遅れる」という俗説があります。これはもちろん迷信ですが、大切な雛人形の後片付けをきちんとしなさいという「しつけ」が、強調されて伝わったものでしょう。啓蟄の日に仕舞うのがベストですが、それよりもこだわりたいのはお天気。湿気の多い雨の日や夜を避け、からっと晴れた日の日中に仕舞いましょう。

扱いはていねいにすること

扱いはていねいにすること

お人形を仕舞う時は、手袋と柔らかな筆、不織布を用意しましょう。手の脂もシミや汚れ、サビの原因になります。まず柔らかな筆でホコリをそっと払い、お顔は不織布で、着物は柔らかい布や紙で包みます。強く包むと型くずれの原因になりますから、扱いは優しく。箱に納めたら、隙間に丸めた紙などを詰めて人形が箱の中で動かないようにします。

防虫剤はほどほどにすること

防虫剤はほどほどにすること

最近はお人形専用の防虫剤が多く出回っています。けれども防虫剤の過信は禁物。入れ過ぎると逆に顔や衣装のシミ、変色を招きます。防虫剤は控えめにして、桐やくすの木などの天然の防虫効果がある箱に収納するのがおすすめです。

湿気は大敵です

扱いはていねいにすること

雛人形や五月人形の大敵は湿気。顔や衣装にカビがついたり、衣裳の変色の原因となったりします。
特に五月人形は鎧・兜など、多くの金具(金属部分)を使っていますので、サビに注意が必要です。保管場所は、収納場所の中でもなるべく高い位置へ。押し入れの天袋などが良いでしょう。

つるし飾り

つるし飾り

かわいらしいつるし飾りをお雛様に添えるとより豪華に引きたちます。

名前旗

人形旗

西陣織金襴を使用し、押絵と桜のパーツを並べてかわいく仕上げました。

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豆知識〜お人形編〜

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